Apollo Manroku

2010年以前に書いた記事の過去ログ

The Lost Gardens of Apollo 2009年3月5日

Filed under: Second Life — アポロ @ 13:35

アポロシムで動画を撮影してきました。

渋谷海浜公園には「アポロ」という名前がつけられているのですが、これはセカンドライフの中ではデートスポットとして割と有名なアポロ」というシムの名にあやかって付けられたのだとか。私もそのアポロシムには以前に何度か行ってみたことはあるのですが、デートする相手がいたわけでもなく、ほんの少し見て回っただけでした。非常に凝った造りのシムで、多くのオブジェクトが配置されていることもあり、私の低スペックなパソコンでは動きが重くなり、快適に動き回れるような場所ではなかったのです。アポロシムは高スペックのパソコンを所有するリッチな人たちが楽しむ場所だとあきらめていました。

先日はふと思い立って、久々にアポロシムを訪れてみました。シムに入ると渡されるノートカードを読んでみると「ツアー」なるものがあると書いてあります。シムを案内してくれるツアーがあるのなら、とりあえずそれを利用するのが得策だと思われました。アポロシムは非常に複雑で、どこに何があるのかさっぱりわからなかったからです。

少し歩き回ってみると、運よくツアーらしき看板を発見。空飛ぶ絨毯(じゅうたん)に乗ってシムを回るようです。絨毯に乗ってツアーを開始すると、言語の選択ダイアログが出てくるので、日本語を選択すると、先ほどの動画のように日本語で各スポットの案内が表示されるようになります。

このツアーはなかなか面白いので、動画を撮影して紹介してみようと思いました。そこで、できるだけきれいに撮影するためにあらかじめテクスチャー(画像)を読み込んでおこうと思い、ツアーのスタート地点付近で待機して、しばらくアバターを放置していました。

すると、しばらくして見知らぬ誰かが近づいてきて、私に話しかけてきました。もちろん、ここは日本のシムというわけではないので、相手は英語で話しています。

「こんにちは、マスター(master)。」

彼が私のことをなぜ「マスター」と呼んだのか、その意図がはっきりせずに少し戸惑いました。私の名前がシム名と同じ「アポロ」だったために、シムの案内人か何かと勘違いされてしまったのでしょうか? いや、それはありえない。名前など誰でも自由に決められるのですから、それだけでシムの関係者だということにはなるはずもありません。

どうやら彼は、私の衣装を見て映画「スターウォーズ」のジェダイのものだと気づいたようです。「マスター」というのは、ジェダイの修行を終えた者に与えられる称号です。いわば、ジェダイに対する敬称のようなものです。

相手が敬意を表しているのなら、私もそれなりに対応すべきでしょう。しかし、見知らぬ相手ということもあったので、少々警戒しつつ英語で簡単に挨拶を返してみました。

「こんにちは。」

すると、彼はこのようなことを言いました。

「質問してもいいですか。」

英語なので正確な意味はわからなかったのですが、何となくそんな感じのことを言ったようです。

私はとりあえず、「Yes」とだけ答えました。

「助言が欲しいのですが……」

「助言?」

「他人との係わり合いについてなのですが……」

はじめは道に迷ったか何かで私に案内でも求めているのかと思いましたが、どうやら違うようです。もっと複雑な相談事のようでした。そうなると、私の英語力で十分に対応できるかどうかはあまり自信がありません。

「私は日本人です。そのため、英語はよくわかりません。」

「はい、マスター。」

彼の態度はまるで、ジェダイの師に教えをこう弟子のようでした。

「私は、この気持ちを静めたいのです。どうしたらいいでしょうか?」

何か悩み事があって、気持ちが落ち着かないというようなことを言っています。悩み相談なら、私は占い師という仕事柄、専門分野ではあるのですが、彼はそんなことは知らないはず。にもかかわらず、この私に相談しているようです。私はとりあえず、自分の使いこなせる英語力の範囲でこう答えました。

「幸せなことを考えてみてください。」

「わかりました。」

彼はさらに続けました。

「私は、女の子と付き合うのが苦手です。」

「ガールフレンドが欲しいのですか?」

「はい……RL(現実生活)の方で。」

「RLでね……」

私はしばらく考えてから答えました。

「いいアイディアがありますよ。ガールフレンドをセカンドライフの中で作るんです。そして、彼女をRLに連れ出すのです。」

「わかりました。」

彼はさらに続けます。

「マスター、あなたはなぜ私がこんなにも不幸を感じるのかわかりますか?」

彼は本当に悩んでいるようでした。なぜ、彼がこんなところで私に、しかも唐突に、カウンセリングのようなものを求めてきたのか不思議に思いました。私は先ほどの質問から、彼の言いたいことを想像してみました。

「あなたは、ガールフレンドと別れたばかりなのですか?」

「はい。」

そのシンプルな返答だけでは本当に私の答えが彼の気持ちを言い当てていたのかはわかりませんでしたが、彼は質問を続けます。

「どうしたら変われるでしょうか。」

「うーん……」

私が英語でどう答えればいいのか悩んでいるうちに、彼は言いました。

「私は、神に祈ります。」

それは、まさに私が言おうとしていたことでした。

「それはいい! そしてスマイル、笑いなさい。」

私はアバターのジェスチャーで笑って見せました。彼もそれを真似てサウンド付きの笑いのジェスチャーをしました。

「そう、そんな感じ。ほらね、あなたはもう幸せですよ。」

「はい。ありがとう。」

「どういたしまして。」

適当な英語の会話でしたが、どうにか彼も納得してくれたようでした。

「フレンドになりましょう、マスター。」

フレンドというのは「友達」という意味ではなく、セカンドライフのフレンド登録をしたいという意味なのでしょう。彼は、私とのコミュニケーションが気に入ったようです。

しかし、私はためらいました。いくら害はないとはいえ、誰それ構わず安易にフレンド登録するようなことはしたくなかったのです。英語のみのコミュニケーションでは今後も彼の助けになってあげられる自信はありません。私はしばらく、どう言えばいいか考えてから、ただ一言「No」とだけ答えました。

「私はただの通行人ですから……」

そう説明するのが精一杯でした。

「あなたはいつもここにいますか?」

彼はそう聞きました。ここに来れば、またいつか私と会えるかもしれないと考えたのでしょうか。

やはり私は「No」と答えることしかできませんでした。残念ながら、私はたまたまここを訪れただけで、このあと何度もここを訪れるような予定はありません。

「ありがとう、マスター。」

フレンドの申し入れを断るのは心苦しいものがあります。彼も少し寂しそうでした。

「オーケー……助けてくれてありがとう。バイ。」

「バイ。」

そういって、私は彼と別れました。そして、ツアーの動画を撮影し終わると、アポロシムを後にしました。

彼との出会いと対話は、とても不思議なものでした。彼は、私がジェダイの格好をしているから冗談半分で話しかけてきたというようには見えませんでした。彼の「祈り」という言葉が、なんとなくそう感じさせました。彼は、おそらく精神世界などに興味のある人物だったのでしょう。その出会いは、このアポロシムに漂うスピリチュアルな雰囲気が導いたものだったのでしょうか。

ザ ロスト ガーデンズ オブ アポロ(The Lost Gardens of Apollo)……そこはとても神秘的で、魅力的な場所です。私も、また訪れてみたいと思います。

 

© 2009 アポロのタロット占い

 

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